デシエルト・デ・ロス・レオネス宣言（2000年11月25日） |
| 〈解説〉 2000年11月25日、連邦地区（メヒコ市）の南西部にあるクアヒマルパ区にあるデシエルト・デ・ロス・レオネス国立公園にある修道院で第１回アナウァク先住民族創設会議が開催された。11月25日という日付は、エミリアーノ・サパタが率いる南部革命軍が土地の共同体的所有を宣言したアヤラ綱領を89年前に発表した日である。この創設会議には、連邦地区からはミルパ・アルタ、ショチミルコ、トラルパン、マグダレナ・コントレラス、クアヒマルパなど南西部の諸区の先住民共同体の代表、モレロス州からはテポストランなどの共同体の代表やモレロス州独立人権委員会、ナウァトル大学などの支援組織、メヒコ州からは３つのナウァ系先住民共同体の代表やニャニュ先住民族協議会のメンバーなど、全体で先住民族の約30の共同体の代表など約 300名が参加した。訳出する宣言以外にも、連邦地区の代表からは先住民共同体の土地や森林を脅かしている道路の拡張を押さえる必要性を強調している。創設会議では３州の地域調整委員会の設置や全体委員会の設置が決議された。 |
〈本文〉 アヤラ綱領の署名の89周年にあたる2000年11月25日に、第１回創設会議を開催するために召集され、その場に参集したアナウァク諸民族は以下の諸点について検討した。 ① 五百年以上にわたってわれわれ諸民族は、気ままに再編されてきた経済・政治的権力によって従属させられ、押しつぶされ、分断させられた。 ② 共同体の領域と共同体的所有はわれわれ諸民族の基礎である。しかし、われわれは自らの土地と山林と水資源を日々略奪されている。 ③ われわれ諸民族にとって困難なこの状況において、強奪を本分とする新自由主義政策を継続すると脅迫する連邦政府が存在している。 参集した諸民族は以下の宣言を発表する。 ① われわれは、われわれ民族を再建するための前提条件として、チアパス、そして国内のすべての先住民共同体における非軍事化を実行することを表明する。 ② 国際労働機関の第 169号協定のわれわれの国への全面的適用、そしてこれまで獲得した諸権利の尊重をわれわれは要求する。 ③ われわれは、COCOPAの提案した憲法改革法案に基づいてサンアンドレス合意を完全に実施することを要求する。 ④ われわれ諸民族、ならびにその歴史、文化、言語、組織、領域などを再建する意志があることをわれわれは公けにする。 ⑤ われわれ独自の組織を構築し、自決権をもつことによって、われわれ諸民族の自治体制を再建することが、われわれの最大の目標である。 ⑥ われわれは、あらゆる手段を講じて昔からの形式でわれわれ諸民族に属する大地や領域のまとまりを防衛する。過去も現在も、われわれサパティスタはわれわれの土地の略奪、収用、民営化に反対する。われわれ諸民族の領域的所有財産を効率的に防衛するため、われわれは憲法第27条の改正を要求する。 ⑦ われわれは、都市生活の生命線である山林、土地、水資源の破壊に反対であることを表明する。われわれの天然資源の管理にあたって、われわれ民族の自決権を尊重することをわれわれはあらゆる政府に対して要求する。 ⑧ われわれ民族の自治、自決権、組織形態と決定権、領域を全面的に尊重することをわれわれは連邦政府、ならびに連邦地区、モレロス州、メヒコ州の政府に対して要求する。 ⑨ われわれ民族に関連するすべての法律、内規、合意、あるいは当局者の裁定は、事前のわれわれとの協議を経たうえで定められることをわれわれは要求する ⑩ われわれは、アナウァックのすべての民族に呼び掛ける。政治的・経済的権力が軽視してきたわれわれの諸権利を防衛してほしい。 ⑪ アナウァックのすべての農地代表に対して、この地域に居住する最初からの諸民族の住民を認知することを告示し、実行させよ。
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