メキシコ大統領宛の申入れ書　　（1998年8月10日在大阪メキシコ領事館への抗議・申入れ行動）


　　大阪、1998年8月10日

　　メキシコ合州国大統領
　　エルネスト・セディージョ・ポンセ・デ・レオン様

　私たち、メキシコ先住民運動連帯関西グループは、本状をもって、アクテアル虐殺事件以降、チアパス問題に関して貴政府がとってきた一連の不幸な行動が、正義と尊厳のある平和を遠ざけるものであるという、私たちの多大なる危惧を表明します。

　まず、私たちは以下の点を告発します。
　(1)　「法治国家」体制の確立という名目で、国内のあらゆる先住民族の居住地区、とりわけチアパスにおいて、対決の政策に基づく軍事化を進めていること。
　(2)　政府が事件の重大な意味を過小評価し、隠蔽し、記憶から消そうとしていること。
　(3)　準軍事組織の武装解除に関して、実効性のある措置をとらないこと。

　この軍事化に対して、私たち、メキシコ先住民運動連帯関西グループは、大きな不安を抱いています。メキシコ政府が先住民族を絶滅させる戦争を繰り広げる可能性が大きくなっているからです。
　それゆえ、私たちは以下のことを貴政府に要求します。
　(1)　先住民の権利と文化に関するサンアンドレス合意を実行すること。
　(2)　問題を平和的に解決するため、サパティスタ民族解放軍との対話、交渉を再開すること。
　(3)　アクテアルの悲劇を繰り返さないよう努力すること。

　貴殿に対し、チアパスのサパティスタ先住民の確信にみちた言葉が投げ掛けられています。彼らの言葉とともに、メキシコのすべての先住民族の言葉もあります。
　私たちは、メヒコの先住民族、チアパスの人々が、できるかぎり早く、正義と尊厳のある平和と平静な生活を取り戻すことを心より願っています。
　そのための第一歩を進める責務は、貴政府のものです。


　　　メキシコ先住民運動連帯関西グループ

ＢＡＣＫ