2000年12月２日付けCCRI-CG･EZLNコミュニケ
戦争の平和的解決は可能である
メヒコ人民へ
世界の人民と諸政府に
新しい連邦行政権力の執行者に対して、EZLNは戦争の平和的な解決の可能性についての見解を明らかにする。
（１） EZLNは、対話と平和的な交渉の道を模索し、発見し、追求することをいま一度表明したい。それは、戦争を終了させ、メヒコのインディオ民族とともに、正義と尊厳のある平和の構築を開始していくためである。
（２） 対話と交渉の目的は、合意に達し、それを実行することである。対話、その結果としての合意は、相互の信頼と信用を基盤に構築される場合のみ、実現可能なものとなる。両当事者は、お互いが信頼に値し、お互いの公約が信用できることを明示すべきである。
（３） ７年間におよぶ公然活動（17年にわたる存在）を通じて、EZLNは自らの言葉が信用に値することを示してきた。我々は自らの言葉を実行したことに誇りを持っている。そのことは、我々の歴史だけでなく、対話をめざす現在の我々の姿勢からも明らかである。
（４） EZLNは連邦政府に要求する。対話と交渉の用意、合意を達成し、実行するという公約、ならびにメヒコのインディオ民族とともに平和を構築するという強固な決意が連邦政府にあることを証明する具体的なシグナルを示してほしい。
（５） 我々が要求するシグナルは以下のものである。
Ａ） サンアンドレス合意の履行。具体的にはCOCOPAの作成した提案を法律にすること。
Ｂ） チアパスならびに他の州の監獄に収監されているすべてのサパティスタの釈放。
Ｃ） 非軍事化。ビセンテ・フォックス氏は、彼の選挙運動の期間、および2000年７月２日以降も一貫して、サパティスタ地域から連邦軍を撤退させ、軍隊を戦争開始以前にいた陣地まで退却すると提案してきた。
昨日、軍隊は検問所の数を減らすという一連の動きを展開した。我々が情報として掌握している範囲では、この動きはいわゆる「紛争地区」の内部の連邦軍部隊の人員や密度を変えるものではない。この動きは、検問所の数を減らすことを「撤退」と見せ掛けようとする戦術的な宣伝戦と解釈することもできるが、本格的な非軍事化の開始であると解釈することもできよう。EZLNはこの動きをさらなる約束にむけたシグナルと評価したい。
国内外の世論が要求しているのは軍隊の全面的な撤退であることをEZLNはよく知っている。しかし、対話と紛争の平和的解決の姿勢があるというシグナルを示すことは連邦政府の責務であると考えている。
今年の12月１日現在、軍や警察関係のさまざまな部隊が、チアパスにおいて合計
655ヵ所に陣地を築き占拠している。そのうち
259ヵ所が連邦軍の部隊である。
EZLNは、和平プロセスを再開する条件としてこの
259の陣地のうち７つから撤退し、閉鎖することを要求する。
①アマドール・エルナンデス。この場所に関してはセディージョが発表した土地収容布告を撤回すべきである。
②グアダルーペ・テペヤック
③エウセビオ川（ラ・レアリダーのアグアスカリエンテス付近）
④ホルナチョフ（オベンティックのアグアスカリエンテス付近）
⑤ロベルト・バリオス（ロベルト・バリオスのアグアスカリエンテス付近）
⑥ラ・ガルーチャ（ラ・ガルーチャのアグアスカリエンテス付近）
⑦クシュルハ（モイセス・ガンジーの共同体付近）
この撤退は完全であらねばならない。軍や（州や連邦）警察の他の要員に代えるものでもいけない。指摘した地点から地理的に離れることで偽装するでもいけない。つまり、撤退するとは「数メートル後退する」ことではない。新しく軍や州や連邦の警察を配備することは愚弄と見なされ、あらゆるシグナルを無効にするだろう。
これらのシグナルが満たされたとき、EZLNは連邦政府の和平全権委員と世論に向けて書簡を送り、政府全権委員とサパティスタ指導部の最初の直接の会合の日程と議題を提案することになる。
この最初の直接の会合において、サパティスタ指導部は、EZLNとビセンテ・フォックス氏の政府とのあいだでの正義と尊厳をともなうチアパスの和平にむけた対話と交渉の開始を公式に提案するだろう。
この簡明かつ実行可能な要求によって、EZLNは、最後まで、つまり戦争を終わらせ、対話と交渉の道我を追求するという々の姿勢をはっきりと示すことにしたい。
連邦政府とEZLNの対話再開は可能である。そのため、連邦行政権力の側の明確な実行、そしてEZLNの対話にむけた姿勢が不可欠である。だが、それだけでは不十分である。国内外の市民社会の動員が必要である。
それゆえ、我々はメヒコならびに世界の心あるすべての人々に特別に呼び掛けたい。皆さんは動員を行い、上記のシグナルの具体化と対話の再開を要求してほしい。
民主主義を！自由を！正義を！
メヒコ南東部の山中にて
CCRI-CG･EZLNを代表して、反乱副司令官マルコス
2000年12月
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