| 【 1 】 サパティスタ、ヨーロッパ大陸へ | |||||||||||
| 【 2 】 オベンティック訪問記 | |||||||||||
| 2021年10月 | |||||||||||
| 「サパティスタ、ヨーロッパ大陸へ」 | |||||||||||
| 2021年コロナ禍により世界中で移動が停滞するなか、サパティスタの動きが活発化している。発端は2021年1月に発表されたコミュニケである。そのなかでサパティスタは、5大陸の人々との対話を企画していることを発表した。現在世界中で起きている破壊行為には国境はなく、人類に対する闘いが国籍や言語に関わらない世界的なものであるという問題意識を共有するためである。そのためにサパティスタの種を外国のさまざまな地に撒き、闘争・抵抗の仲間たちを集めていくという。まずはヨーロッパ大陸から開始し、今年の7〜10月にサパティスタ代表団がヨーロッパを訪問することが発表された。 代表団の派遣は、２つの方法で実現した。第一弾は「421中隊」という7人のグループである。彼らは5月2日に海路でメキシコを出発し、ヨーロッパ各国を回って9月11日空路でメキシコに帰国した。421という名称は、4人の女性、2人の男性、1人のトランスジェンダーによって構成されているためだという。 第二弾は、「時代はずれ」と名づけられた140人からなるサパティスタ代表団のヨーロッパ訪問である。このなかにはモイセス副司令官も含まれている。彼らはメキシコシティに滞在した後、9月13日に空路でウィーンに向けて旅立った。ヨーロッパではマドリッドやウィーンを訪問する予定である。 サパティスタのヨーロッパ訪問については、「ラテンアメリカの政治経済」というブログが詳しく掲載している。 「ラテンアメリカの政治経済」
関連記事 このようにサパティスタ自治区で大きな動きがあったなか、オベンティクを訪問した日本人の方がいる。コロナ禍のおり残念ながらなかに入ることはできなかったが、訪問の様子を写真とともに伝えてくれているので掲載したい。 |
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| 「オベンティク訪問記」 小林佑輔 | |||||||||||
| 2021年4月、コロナ禍の真っただ中ではあるが、サパティスタの方々が住むオベンティック村を訪問した。事前に聞いていた情報では、コロナの影響でサパティスタの村々はどこも部外者を受け入れていないと聞いていたが、無事に村に入れることを祈って出発した。まずはチアパス州のサンクリストバル・デ・ラス・カサス（サンクリ）へ行き、そこで宿泊した日本人宿「カサカサ」をやっていた家族の方々と車でいっしょに行かせてもらった。サンクリからオベンティック村までは約１時間半の道のり。道中では雄大な景色や、先住民の人々が着ている物珍しい衣装を見て楽しんだ。 そしてオベンティック村に到着。村の入り口には2人のサパティスタの人がいた。村に入れるかどうか聞いたが、今はコロナの影響で入れないとのこと。紹介状を見せても、やはり答えは「NO」だった。ただ、外から写真を撮るのは問題ないと言われ、村の様子やストリートアートをいくつか撮った。村の入り口のすぐ隣にはサパティスタの物販店があり、サパティスタの人々がよく使っている口を覆うためのスカーフや、ステッカー、ポスター、ポストカードなどを購入した。いっしょに行った日本人宿の方は、「サパティスタの人たちはとてもやさしい絵を描くんですね。」と言っていたのが印象的だった。 後日、サンクリにある、サパティスタと繋がりがあるFraybaというNGOを訪ねた。チアパス州にはサパティスタの人々が住んでいる村がいくつかあるそうだが、やはりこのコロナ禍でどこも部外者は入れないと言われた。
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