P： どうしてEZLNは、プロカンポ【NAFTA発足時に始まった農村直接援助】、プロスペラ、【最初オポルトゥニダー、極貧地域における教育・健康・栄養・収入支援計画】、老人の新しい夜明けなどの政府援助を受けないの？
Z： 受けない。

P： どのようにEZLNは人々を支援しているの？
Z： 我々は組織化が進んでいる。我々は支持基盤組織をもち、一緒に労働し、自己統治し、共同労働を行っている。それで自分たちの抵抗を継続する経済的資源を手にできる。

P： どうすれば、私達は市民社会として組織化することができるのか？どうすれば、私達に助言し、指導し、教えることができるの？
Z： 自由メディアとか、全国先住民議会の状況をよく観察すればいい。どのように組織化するとか、組織にどんな名称を付けるかについて、私達が意見を述べ、決定するつもりはない。何をなし、どう組織するかは、人々が考え、決定することである。

P： 我々は何をなすべきなのか？
Z： 我々が考えているのは、資本主義体制の打倒である。

□ 二月のある夜明け前、叛乱副司令モイセス（M）と副司令ガレアーノ（G）の会話の報告

副司令Ｍ： 死の脅迫が届いた。政府にとって障害となり続けているサパティスタ運動を潰すため、政府がカラコルを攻撃したいと思っているという報告が届いた【2016年2月22日、EZLNメンバー12名の逮捕命令は時効】。
副司令Ｇ： …
副司令Ｍ： 俺を探しているというのだ。俺やお前を見つけ、殺すそうだ。
副司令Ｇ： 我々を殺すだって？逮捕ではないのか？拘束ではないのか？
副司令Ｍ： いや、情報によると、「我々を殺すため」ということだ。
副司令Ｇ： なんてこった。どうして俺が？それは、植民地主義・異性愛至上主義・父権主義・ヨーロッパ中心主義的な人種差別主義でしかない。広報担当者はお前だから、お前が対応すべきだ。俺はサパティスタの男性優位主義者の最後の砦で、俺たちが明らかに引退状態であることはお前も知っているはずだ。おまけに、とても暴力的だ。以前は「逮捕」「出頭命令」「拘束」だったのに、今は「殺す」だなんて。しかも、俺は何度か死んだはずだ。連中は俺のそのあたりの事情をちっとも考慮ないのか？どうして死を受け入れ、「任務完了」にしないのだ。しかし、俺に関する話題をそらさないでくれ。お前に言いたいのは、女性コレクティボに関することをコミュニケに入れるなということだ。
副司令Ｍ： どうして、ダメなの？
副司令Ｇ： なぜなら、我々がそれをコミュニケに入れたら、男性ジェンダーのメンバーとよくない関係になる。ペドロ・インファンテの映画、ホセ・アルフレド・ヒメネスの歌といった伝統が何もかもすべて消滅する恐れがある。先祖伝来の文化が消滅しかねないことに、お前は同意するね？そうじゃない？
副司令Ｍ： 死滅というほうが適切だ。ローマは潰れた。それは俺がコミュニケに入れたよ。
副司令Ｇ： なんだって？では、ジェンダーの連帯については？
副司令Ｍ： 男たちがより熱心に働き、男性コレクティボを前進させるためには、どうしたらいいかを考えた方がいい。
副司令Ｇ： わかったよ。了解。了解。言われているように、我々の原点に戻る必要がある。では、ラジオ・インスルヘンテの特別番組を作ることにしよう。『ゲーム・オブ・スローンズ』【HBOのテレビ・ドラマ・シリーズ】なんてどうってことはない。偉大な同志にして指導者、第一人者、ガリバルディ広場の王、ドラゴンの父親、7レグア【パンチョ・ビジャの愛馬】の持ち主、すなわちペドロ・インファンテの歌の大特集だ。
副司令Ｍ： ハハハァ。お前のためにそんなもの放送なんかしないよ。番組編成を担当しているのは女性同志だから。
副司令Ｇ： なんてこった。女性革命法など糞くらえ。じゃあ、ホセ・アルフレッド・ヒメネスは？
副司令Ｍ： ヒェェー。ますますありえないね。
副司令Ｇ： ふむふむ。では、ブーキスはどう？ロス・テメラリオスは？… ブリンディスは？ロス・ティグレス・デル・ノルテは？ピポロは？

この議論は、猫＝犬が爪を磨きながら、「グルルー＝ミャオ」と宣告するまで続いた。それは凍てつく寒さの夜明け前だった。だが、地表に影がもたげだし、一筋の小さな光明が「抵抗」という言葉を温め始めていた。
ジェンダーの誓約のもと、私は宣誓します。

注：
この原稿は、サパティスタ高度代替技術部（スペイン語略号DATAZ）で再建された（壊れたが、パズルを解くように我々が修理した）超有名ブランドのLa Migaja Z.A. de C.V. de R.L製（注: Z.Aは自治サパティスタ、C.Vはバーチャル協働、R.L は輝ける叛乱の頭文字）のDeus Ex Machina 6.9モデルのコンピュータに搭載のディストロUBUNTU 14.04 LTSのGNU/Linuxオペレーションシステムというオープンソースでフリー・ソフトウエアのワード・プロセサで書かれた。
オーケー、オーケー、オーケー。コンピュータの画面には、我々がKEKOSAEDROと呼んでいる三次元の幾何学模様が出てきた。今どうなっているか、誰もわかっていない。ケーブルや端子がいくつか余っているが、とりあえずワード・プロセサはうまく機能している。…だめになるまでは。UBUNTUはズールー語で「私は私達であるから、私である」という意味である。フリー・ソフトウエアＯＫ！と言おう。マイクロソフト、アップル、その類のものなど（私の言いたいことがわかっているなら）、くたばれ！リナックスの支配を！