同志の皆さん。

皆さんはたぶんご存知と思うが、我々は5月29日の会合でひとつの行動計画を提示した。そこでは時間といくつかの州の同志たちが出発しなければならないという理由で、我々は簡単な説明しかしなかった。それゆえ、その提案をもう少し詳細に説明したほうがよいと考えていた。そこで、以下の「留意点」を皆さんに送ることにする。では。

１　　我々EZLN第６宣言委員会は、（各地での）5月19日の動員と5月28日の（一か所の）デモ行進は、別のキャンペーンが、人々が支持する提案から、独自の理念に基づく全国規模の組織に変貌したことをはっきりと示していると考えている。

２　　特に5月19日の動員（ならびに５月にメキシコ全域で行われたすべての動員）は、別のキャンペーンがEZLN第６宣言委員会や叛乱副司令官マルコスに依存したものではないことをはっきりと示している。
5月29日の第6宣言支持者全国集会に参加された人々は、第６宣言委員会がまだ通過していない州(すべて国の北部)においても重要な活動が展開してきたことに気づいたにちがいない。（支持者の大多数である集会に参加できなかった人で、代替メディアにアクセスできる人は、ラジオ・パチェコ、ラジオ・サボターへ、ケ・ウエルガ、ナルコ・ニュース、独立メデイアなどに接続することをお勧したい。そこにある広報セクションでは、確実に各州の代表団の発言を録音したものを手に入れることができる）。皆さん方は、これまでにも、工夫と創造性を遺憾なく発揮した数多くの行動が行われたことに気づかれるだろう。
こうして、我々第６宣言委員会（別のキャンペーン委員会全体ではない）が、収監者の解放を推進するために滞在していることを証明したとき、我々が指摘していたことがはっきりと確認されている。つまり、EZLN第６委員会があろうとなかろうと、別のキャンペーンは展開されているのである。副司令が主役となっていること、カウディージョ主義、メシア主義、いろんな型どおりの様々な「主義」に関して、あれこれ都合よく考えをめぐらすことができる。しかし、現実には、副司令やEZLNがいなくても、全国のいたる所で成功裏に数多くの動員が実現したのである。

３　 　それぞれの手法で、時間もバラバラに組織されたメキシコ共和国の諸州や向こう側にある別のキャンペーン委員会のメンバーに対する各種の敵対行動（とりわけ、誕生まもない、無力な組織だというというメディアによる情報操作キャンペーン、敵対的な世論など）があったにもかかわらず、1週間前には、アテンコ事件の収監者の解放という共通の目標を掲げた全国規模の動員があったばかりである。その動員で、唯一存在していたのは正当な大義の確信、ならびに反資本主義的な左翼の全国運動の一翼としての確固たる自覚だった。地区、亜地域、地域、州などで、支持者たちが組織化し、お互いに助け合うという我々が同志として保有する基本的な責務を果たしてきた。

４　　メキシコ市での5月28日のデモ行進は全国中央動員だったが、基本的には別のキャンペーンによって担われていた。参加者の大半は、確信をもち、ひとつの旗印を掲げている別のキャンペーンのメンバーである。移動経費や別のキャンペーンに対する外部からの支援をあてにすることなく、メディアの情報操作に対抗し、国内32州の第6宣言支持者の代表団は、収監されている我々の同志の解放というスローガンのもと、時と場所を定めて結集した。

５　　以上のことは、サパティスタにとっては、別のキャンペーンは、実際には、もう組織化の過程に入っていることを示して
いる。まだ、別のキャンペーンの輪郭を定義するといった重要な問題も残っているが、別のキャンペーンは、(収監されている人たちの命運を見捨てないという)倫理意識や(アテンコにおける政府の対応が押し付けようとしたテロに打ち勝つという)高い道徳観を備え、(各地での分散集会や集中集会など)自立的で自主的な動員力を備えた、(32州に存在する)全国組織という体裁を備えている。
我々は以下に示す６つの論点に関して議論を続けるべきであると考えている。それと並行して、(全国にいる我々の同志が明らかにしたように)我々が実施することになる諸活動に向けた組織化を前進させる必要がある。

６　　総体としての政治屋連中やお金という強大な権力が示してきた別のキャンペーンに対する攻撃的な対応は、我々が正しい道を歩んでいることを物語る。上の世界で、我々は敵と見なされている。言い換えれば、反資本主義で、下の左側からの選挙運動ではないキャンペーンという我々の基本的な特性が明確に定まっているからである。

７　　EZLN第６宣言委員会として、我々はこうした弾圧が一定の期間内に起こるだろうと考えていた。アテンコにおける別のキャンペーンに対する政府の弾圧によって、我々は二つの選択肢を選ばざるをえなくなった。つまり、退却するか、それとも組織的に反撃するかである。
別のキャンペーンは、組織された反撃を選択した。それによって、他のやり方では、もっと時間を要したであろう我々の輪郭が固まったのである。我々は、それがよりよいとか、悪いとかなどとは言っていない。そのような選択をして実行したことを明らかにしているのである。 指導者や統領がいなくとも、別のキャンペーンは、国内全域でひとつのキャンペーンとして対応できたのである。

８　　我々EZLN第6委員会は、メキシコと国境の向側にある別のキャンペーン委員会の全メンバーに挨拶を送る。そして、我々が皆さんの同志であることに栄誉と誇りをもっていることお知らせする。

９　　我々EZLN第6委員会は、アテンコの収監者たちの解放と正義を求める闘いに対する国際的な支援がきわめて重要なことをよく理解している。銀河系間委員会の我々の同志が提供してくれた情報によれば、少なくとも、世界の24カ国、52都市で124の行動があったという。5月28日だけでも、ローマ、ベルリン、トロント、バンクーバー、ハバナ、ブエノス・アイレス、マール・デ・プラタ、サンフランシスコなどで動員があった。他の場所についても、今後、我々に情報が寄せられるだろう。
我々EZLN第6委員会は、世界の各地において、別の文化、肌の色、言語、様式をもった老若男女が繰り広げた連帯行動に対して挨拶を送りたい。そして、我々のウェッブページにある第６インターナショナルのセクションで、それぞれの活動について知らせるように、すべての別のキャンペーン委員会に呼びかけたい。

こうした評価に基づき、我々は、メキシコと別の側にあるすべての別のキャンペーン委員会に対して、以下に掲げる行動計画を提示している。

１　収監者の解放という目的を堅持し、地区、亜地域、地域、州といった各レベル、ならびにセクター別やゾーンごとに、別のキャンペーンの組織化や構築を進めることになる。それにより、下の左側からの組織化にむけた別の代替案の構築を進める。

２　収監者のための戦いにおける文化、芸術、通信の戦線を深化させる。

３　明確に限定された任務をもつ臨時全国連絡委員会を結成する。別のキャンペーンの活動を担ってきたそれぞれの組織(たとえば、第6宣言委員会の訪問のために組織化された亜地域ごとに)から1−2名の人物を選出し、「ゾーン設定」に関する提案を行なう。各セクターは独自の論理と手法に基づいて選出すればよい。
我々は「作業のための組織単位」をこれまで実際に構築されたことのある組織単位として理解している。例をあげるなら、第6宣言委員会の訪問を調整する委員会とか、5月19日の共同行動やデモ行進に参加するための委員会である。この機関には、特定の行動を組織的に実施するという合意をつくるため、諸組織、集団、コレクティボや諸個人が結集することになる。つまり、我々が地区、亜地域、州、あるいはセクター別の調整委員会とか委員会として呼んでいるものである。我々が提案するのは、それぞれの州、地域、亜地域、地区において、直接的な連絡、相互支援の調整と活動を継続していく上で適切なのが、別のキャンペーン委員会のどの構成者かを議論するとことである。
たとえば、キンタナロー、ユカタン、カンペチェ州の別のキャンペーン委員会は、共通した問題を抱えており、お互いに連絡を取り合い、ユカタン半島ゾーンとして調整することができるだろう。別の例として、モレロス州の別のキャンペーン委員会は、南部、東部、あるいは中央部の諸州にある委員会のいずれと調整すればいいのか。サンルイス・ポトシ州の亜地域であるワステカの別のキャンペーン委員会は、サンルイス・ポトシ州の委員会、それとも別の州のワステカ委員会と調整するのがいいのだろうか。ウィチョールは、ハリスコ州、ドゥランゴ州、ナヤリー州にある別のキャンペーン委員会のどれと調整するのがいいのか。それとも、彼らの事情に合わせてグループを形成し、お互いに助け合い、彼らの領域がある諸州の別のキャンペーン委員会を支援するのがいいのか。たとえば、我々は巡歴の過程で、ベラクルス州の一部は、ベラクルス州の別のキャンペーン委員会よりもイダルゴ州地域の委員会と調整しあった方が便利であることを理解した。
つまり、我々が言いたいのは、別のキャンペーン委員会は上の世界が押し付けている地理的な境界にしたがう必要はなく、自分たちの歴史的な指向性に基づき、組織化をすればよいのである。
我々が提案したのは、それぞれの「別のキャンペーン委員会の作業にむけた組織単位」は、適切な人と議論し、提案する過程で、知り合い、分かち合い、調整し、合意を作ることができるゾーンを構築することである。合意ができたら、組織単位ごとに、どこが適切かについて分析し、議論し、合意を形成し、1−2名の全権委員を派遣し、「臨時全国連絡委員会」においてすべての別のキャンペーン委員会の他の全権委員たちと合流するようにする。
臨時全国連絡委員会は、それぞれの提案に基づく｢ゾーン設定｣に関する全国提案を作成することないなる。つまり、委託を受けた全権委員が集まり、新しい別のキャンペーンのための地図作りの提案を行なうのである。その後、全員に人々が何を考えているかを知らせることになる。そして、｢臨時委員会の任務を遂行するために、すでに全国連絡委員会は解散している。こうして、要約すれば、下の左側からの「別の地理」が作成されることになる。

４　 別のキャンペーンの反資本主義、左翼という特性を再確認する。収監者の解放が、現時点では、別のキャンペーンの主要な旗印となっている。しかし、別のキャンペーンは政治的収監者のための連帯委員会ではない。我々を略奪し、搾取し、軽蔑し、弾圧する体制に反対する全国規模の運動である。

５　市民の平和的な組織化と動員によって、上の世界のカレンダーを打ち破る。 上の世界が、何も起きていないように取り繕い、我々の同志を解放することなく「［選挙という］お祭り」を強行しようとするなら、我々は連中のカレンダーに介入し、同志の解放という要求を連中のカレンダーに盛り込んでいかねばならない。

６　選挙に対する対応を明確にする。代替案とは、特定の人物に投票するとか、投票拒否というものではない。代替案は、下の左側から組織化をするのか、それともしないかである。すなわち、我々は選挙の論理ではなく、資本主義体制に実際に対抗する運動を構築するという論理の中にいるのである。

それゆえ、我々は以下の点を提案する。

特定のテーマと行動を掲げた地区単位の集会
社会活動家の解放と正義を求める芸術、文化、通信をテーマとし、独自の方法と場所で2006年６月11日に実施。

ゾーンごとの結集
(この目的で組織された臨時全国連絡委員会において了承・合意された提案を踏まえ)それぞれの合意に基づいて、州、地域、亜地域、地区といった単位で行なう。つまり、共同の問題や要求を検討し、分析、討論するため、場合によっては調整、行動、支援について合意するために、参集する 。ゾーンごとの集中集会は６月24日と25日に実施。 (すでに連絡委員会が形成され、集会も開かれ、提案は知られている)

セクターごとの結集
女性、別の愛人たち、学生、性労働者など。 各セクターの合意と計画に基づいて実行することを提起する。

評価と提案のための全国規模の結集
支持者の全体総会は、6月24日と25日に提案されていたが、今回6月30日(金)と７月１日（土）にするよう提案する。この全体集会では、囚人の問題だけでなく、第６ラカンドン密林宣言に基づく別のキャンペーンに関連する問題、つまり、全国レベルでの反資本主義の下の左側からの運動の構築と闘争について検討する。

全国規模の動員
全国規模の結集した行動、ならびに分散した行動、さらに(5月28日の集会のように、ゾーン、州、地域、副地域、地区で同時に集結という)両者を結合した行動。７月２日、つまり連邦選挙の日に実施することを提案する。その場で、我々は、７月３日から新たに展開することになるわれわれ人民の組織化や闘争に関する代替案を提案することになる。

すでに計画されている別の活動に関して、日程や方式の変更はない。この日程の枠組み内で他の活動を実施できる。

以上ですべてである。同志の皆さん。抱擁を受取ってください。

EZLN第六宣言委員会を代表して反乱副司令官マルコス　メキシコ、2006年5月30日