第四回先住民全国会議へ。 メキシコの最初の民族へ。メヒコ人民へ。

同志の皆さん。ＥＺＬＮの老若男女の挨拶を受取ってください。
皆さんがすでにご承知のように、我々の同志であるメキシコ州サンサルバドール・アテンコの土地防衛人民戦線と 住民が被った警察による野蛮な弾圧によって、我々は彼らを支援し、不当に拘束されている監獄から出獄できるようにするために、この地に留まらざるをえなくなった。

悪しき政府は、我々の同志を襲撃し、殴打し、投獄しただけではない。彼らを拷問し、女性たちに暴行を加えた。こうしたことがありながら、政府は合法性や法治国家に関する嘘八百を口から並び立てた。
この襲撃の背後に、権力者どもの土地、アテンコの土地に対する野望があることを我々はよく知っている。
インディオである諸民族として、我々はこの襲撃に対して、手を拱いているわけにはいかない。 金持ち連中と彼らの政府に対して、正義を求めて闘い、弱者を支援しているこれらの高貴で尊厳に満ちた人々を釈放させるように、市民による平和的な方法で圧力をかけるためにも、我々は、我々の声、道、手をあげなければならない。

サンアサルバドール・アテンコへの襲撃は、下の人々、つまり我々を含む、この大地に初めからいる諸民族への戦争の一部である。
我々の国のいたる所、我々がインディオである諸民族として誕生した山や谷、川、湖や海では、同じような歴史が繰り返されている。それは、共同体やエヒードの土地の強奪、我々の母なる自然の破壊、我々大地の色した人々に対する軽蔑や屈服をもたらすことになる新しい征服戦争である。権勢家どもが我々の大地の上で展開しているこの新しい征服を率いるのは、統治者連中、つまり知事、下院議員、上院議員、そして官僚などである。彼らは、我々人民を傷つける刃のついた剣とするための法律をひねり出している。新たに押し付けられる信条は、金儲けであり、その新しい神はお金そのものである。 以前、我々諸民族は分散した状態で、時には、お互いに衝突していたとき、異邦人どもが、命令し、略奪し、殺戮するためにやってきた。我々の叡智と尊厳を活用し、我々は消滅してしまい、我々が死ぬことで、我々が守護者として護ってきた大地までもが死んでいくことに抵抗できたのである。今、権勢家どもは母なる大地を再度征服しようとする。

母なる大地は我々に語りかける。彼女が語る言葉には、苦悩、死、破壊が登場する。母なる大地はさらに語っている。われわれと同じだが、異なっている者がいる。彼らも、我々の色のなかで、我々の歴史のなかで、とても苦痛を与えている苦悩に曝されている。 この別の人々とは、それぞれ異なった生き方をしている労働者や農民、学生、教師、若者、老人、子供たちである。彼らは、我々を包み込んでいる天空、そして我々に活力を与える怒りを共有している。
我々の祖国、我々が守護者となっている大地を護るため、我々はこうした別の人々と団結しなければならない。彼らと協力しながら、我々は叛乱する尊厳の旗を高く掲げなければならない。我々は我々のこれまでの歴史の中でその旗を掲げたことがある。しかし、今は国の全域で、祖国の忘れ去られた心である我々下のものたち全員と力をあわせて、その旗を掲げることになる。

我々が彼らと出会うために、さらには最初の諸民族としお互いに出会うために、我々はひとつの場所、全国規模の運動を構築しなければならない。その場所は、すべての人々がそれぞれの歴史と生き方を大事にされることになる。その場所では、 強制されることも、軽蔑されることもない。敬意を払われる場所である。耳を傾け、理解するための場所である。他の存在を知るための場所である。 下にいる人々の諸要求を知るために赴き、それを書き記し、闘うための場所、つまり闘争の全国計画である。我々が誕生させる別のメキシコにおいて、我々が生きていくことになるという新しい合意を引き出すための場所である。
我々が構築したいこの場所は、別のキャンペーン、別の政治と呼ばれている。

インディオである諸民族として、我々は、我々の諸権利と文化が認知される固有の場所を構築する必要がある。そこでは我々は、尊厳に満ちた先住民、そしてメキシコ人 として存在できる。
我々の大地の上、我々の天空の下では、戦争が進展している。播かれた破壊は、我々の祖国を回復不能なまで傷つけるだろう。それゆえ、今、我々が展開しているこの闘いこそが、我々の歴史、そして我々自身や我々が護っている大地にとって、唯一の希望なのである。

先住民全国会議の同志の皆さん。我々サパティスタははっきりと宣言する。アテンコは孤立していない。彼らの苦しみや怒りは我々のものである。我々は皆さんの解放を勝ちとるため全力を尽くしたい。

皆さん方にお願いしたい。メキシコのインディオの諸民族として我々はアテンコの人々に伝えたい。皆さんは孤立していない。皆さんの闘いは我々の闘いであり、皆さんの解放を求め、我々の褐色の心は立ち上がるだろう。

収監されているすべてのアテンコの人々を無条件釈放せよ！
逮捕命令を全面的に撤回せよ！
サンサルバドール・アテンコに自由と正義を！
メキシコの最初の諸民族よ、つねに力強く生きていてください！

別のメキシコ市にて　、ＥＺＬＮ第六宣言委員会を代表して、叛乱副司令官マルコス、
メキシコ、二〇〇六年五月