メキシコ人民へ、世界の人民へ

兄弟姉妹の皆さんへ、男女の同志の皆さんへ

CCRI-CG・EZLNは言葉を述べます。

一
1996年、第４ラカンドン密林宣言において、EZLNはサパティスタ民族解放戦線(FZLN)の創設を呼びかけた。それは、権力を求めるために闘うのではなく、政治を実践する新しい方法を構築することを手がける市民の平和的な政治組織だった。その当時、我々は、戦争状態の終了が近づいていると考え、FZLNのなかで公然と政治的闘争を展開できると思っていた。しかし、実際はそうではなかった。悪しき政府は我々に敵対する戦争を継続してきたので、それ以降も、我々は抵抗を堅持してきた。我々は直接参加しなかったが、メキシコ中（さらには外国）の数多くの男女がFZLNの隊列に加わり、権力を求めて闘うことをしないという原則を守りながら、ほぼ10年間、政治を実践する新しい方法を構築する作業に携わってきた。

二
今年2005年、EZLNは、第６ラカンドン密林宣言を公表し、一連の提案を行なった。それは、EZLNのサパティスタの集団が、いわゆる「別のキャンペーン」のなかで、市民の平和的な政治活動を公然と展開することが含まれていた。こうして、メキシコのために民主主義、自由、正義を求めるサパティスタの闘いの新段階が始まったのである。この新段階に完全に到達するにはいくつかの変革が不可欠である。

三
先月、つまり2005年10月末、CCRI-CG ･ EZLNの代表団は、FZLNの数名の構成員と会合をもった。そこで、FZLNの組織構造を解体し、EZLNが結成から結末まで呼びかけたこのサパティスタの市民組織の名称をEZLNに返還することが可能かについて、すべての男女メンバーと協議を行なって欲しいと依頼した。
このような要請を行なったのは、EZLNの手に、新しい市民の平和的なサパティスタ組織を再建するための自由を与えて欲しかったからである。第４ラカンドン密林宣言で表明されていた諸原則を再確認し、十年間に及ぶFZLNの活動で獲得した到達点とともに、さらに前進させた原則（資本主義に反対するとともに左翼的）を第６ラカンドン密林宣言に組み込みたい。同時に、今度は、EZLNのサパティスタが直接的に参加することによって、FZLNの活動で明らかになった過ちや弊害を避けたい。

四
数日前、FZLNは内部協議を終了した。同志の大多数は[127の対話市民委員会のうち123委員会]、FZLNを解散し、EZLNに返還し、新しい原則、要件、規範、構造、目標のもとで、FZLNを再建する呼びかけに備えることに同意した。そのことをEZLNに連絡してきた。

五
この決定を受けて、CCRI-CG・EZLN-はメキシコ人民と世界の人民に伝えることにする。11月25日金曜日以降、EZLNの兄弟組織としてのFZLNは存在しなくなる。誰人も、好意の有無を問わず、いかなる目的でも、その名称を使用できない。数日中に、EZLNの要請に基づき、一部のフレンテのメンバーが移行委員会を結成し、FZLNのすべての活動と財産をEZLNの第６宣言委員会に委譲する作業を担うことになる。

六
EZLNは「サパティスタ」という名称を尊厳とともに担っていただいたフレンテの男女の同志が示してきた努力と犠牲に対して感謝し、お礼を述べておきたい。皆さんは、EZLNとの市民による平和的な同志関係を履行し、我々の正当な闘争に生命を与えている諸原則を分かち合ってくださった。現在、サパティスタ叛乱自治地区(MAREZ)と善き統治評議会として組織化されている叛乱する先住民共同体は、フレンテの皆さんによる無条件の支援をこの期間ずっと受けることができた。EZLNのそばにFZLNがいなかったら、苦しみや不安に満ちた危険な時間も多かったであろう。それゆえ、EZLNの老若男女を代表して、皆さんに心から感謝の言葉を述べたい。

七
個人的な損得勘定、ほかの人たちを攻撃し、我々との関係を疎遠にし、個人的なライバル関係や無意味な対立をかきたてるために、FZLNの名称を使用し、EZLNと近い関係にあることを利用する人物がいたことは確かである。そのような人物は、個人や集団として主導権を掌握するための踏み台として、FZLNを利用し、快適な地位に就くためだけに公約を掲げてきた。
　　さらに、我々が直接的に関係する人物に関しては、市民のサパティスモの旗印を掲げながらEZLNが犯したかもしれない過ちに関しては、EZLNは自己責任をとる。こうした過ちに関して、EZLNは、行動や言葉、配慮の不足などで傷つけられたと感じているすべての男女に公式に謝罪したい。

八
市民のサパティスモの新段階はこれから始まる。現在、我々は、態度や活動によって、新しい組織の構築を心から願っていることが、態度や活動ではっきりと分かっている人物とともに、市民による平和的な、資本主義に反対する左翼のサパティスタの新しい政治組織を創ろうとしている。この組織は、権力を求めて闘うのではなく、政治を実践する新しいやり方を構築するために戦うことになる。つまり、現在まで我々が二つの並行する道を歩んできたものと同じ目標を目指している。

九
この新組織はEZLNの第６宣言委員会が直接指導するかたちで誕生する。この組織には書面による正式参加要請によって加入することになる。さらに、実際的な判断に関する倫理規定を厳守し、サパティスモの諸原則を満たすことがとくに重要となる。

十
この新しい組織とともにEZLNの第６宣言委員会は、｢別のキャンペーン｣の多彩な色をもつ刺繍にサパティスタとしての色をもたらすことにしたい。

民主主義を！自由を！正義を！

メキシコ南東部の山中より
ＣＣＲＩ-ＣＧ・ＥＺＬＮ
叛乱副司令官マルコス
メキシコ、2005年11月