我々は、チアパス高地、国境隣接密林、ツェルタル密林で活動している、声なきものたちの声、叛乱ラジオの様々な隊列に挨拶を送る。
山中の陣地で警戒態勢を維持する蜂起者部隊に挨拶を送る。また、すべてのEZLN支持基盤組織に挨拶を送る。こちらは叛乱ラジオである。

この場を借りて、アグアスカリエンテスの葬送、そして巻貝、ならびに善き統治評議会の誕生の祝祭に参加するため、今現在、オベンティックの巻貝にいる市民社会のためにも特別の挨拶を送る。FZLNの仲間たち、民族解放サパティスタ・ネットワークにも挨拶を送る。ドイツ、とくに、たしかゲッチンゲンとか、何とかいう場所にあるディアテル・ゼーラー・バーの教区民たちに挨拶を送る。フリースピーチ・レーダーニュース、ビッグ・ノイズ、ならびに自葎的メディア・プロジェクトにも挨拶を送る。

EZLNの声、叛乱ラジオにようこそ。誰もが知っているように、EZLNは法律違反者の男女で構成されている。その数ははっきりしない。彼らは、至高の存在として尊敬されている者に問題を創りだすことに専念する。その活動はあらゆる形の敵対行為をもたらしつづける。こうした敵対行為がポストモダンのゲリラ戦であることを示すため、長靴を履いた者はこの敵対行為をグローバル化させてきた。それにより、他のどの組織も獲得できなかったこと、つまり地球のいろんな場所に少なくともひとつの敵をもつことに成功した。もちろん、これは少し高慢に過ぎるだろう。なぜなら、北米合州国政府は世界のあらゆる部分に少なくとも相当数の敵をもっているからである。

さて、我々の放送に周波数を合わせているごく一握りの粗忽者のための特別サービスとして、皆さんに独占ニュースを提供する。我々の有能で職業意識の高い、レポーターたちは……、もちろん女性レポーターたちもいる。ここでは、どんな場合でも、女性たちが多数派である(こうしたことは我々には当たり前のことである）。さて、皆さんに言いたかったのは、我々のレポーター・チームは、忍耐強く献身的に仕事を行ない、長靴を履いた者たちに関してあることを発見した。それはつぎのようなことである。本当の意味でサパティスタになろうとすることは、多くの世界が入ることができる世界という新しい世界を創ることである。それだけではない。我々はこの体制変換の任務のためには、全地球規模、さらにはまだ確認できてはいないが、噂によると、他の銀河系を巻き込んで共同作業を期待できることも発見した。だからこそ、サパティスタはどこかでひとつのよりよい世界を構築しなければならないと言っている。

「どこかにいい世界があるはずだ …ムムム…アアー…」。このおなじみの歌詞は私も聞いたことがある。そこで私の可能な範囲ですべての本やマニュアルに当たってみた。これを言ったのはカール・マルクスでも、グルーチョ・マルクスでもない。レーニンも、副指令も、チェ・ゲバラも、エミリアーノ・サパタも言っていない。もちろん、私は挫けなかった。その覆面の謎の人物の覆面をはがすために全力を尽くし、調査を継続し、ついに発見した。この反体制的なフレーズはＢ・Ｂ・キングのものだった。彼はそれをブルースとして歌った。だから、今後はブルースの王様 Ｂ・Ｂ ・キング、そして"There must be a better world somewhere−どこかにいい世界があるはずだ"と臆することなく呼びかけるこの曲は、恥ずかしがりのサパティスタの叛乱ラジオのための占有物となる。

こちらは叛乱ラジオ。歩むことに疲れてはいても、歴史は繰り返す。労働によって猿が人間に進化できたのなら、戦争は人間を猿に変身させることを可能にしたと言えよう。当然のことながら、この見解に対して最初に抗議の声をあげるのは、猿や小猿、つまり漫画である。漫画は抗議の声を発する。なぜなら、政治家連中のイメージは滑稽さにおいて漫画を凌駕するからである。国内外の政治に関する頁が秘めている汚いまでの競争力を前に、コミックスは落日の気配さえする。ざっとあたりを見回せば十分である。

こちらでは、ブッシュ氏が爆弾以外の言葉は声に出して言えないことが分かっているので、合州国の新聞社は、小言としか思えないものを理解できる言葉に転換しようとして苦労している。

かの地では、ベルスコーニ氏が時間と場所の観念を完全に失い、統治とテレビ番組の制作を区別できないでいる。……そこでは、偶然だが、新聞社の閉鎖、バスク語の迫害、拷問による尋問、襲撃の犠牲者の家族と一緒に写真をとること、ノーベル平和賞のキャンペーン展開に疲れたガルソン氏が少し休暇をとることにした。環境を大きく変えないために、彼は休暇をチアパスで過ごすことに決めた。昨今、この地は、ガルソン判事の情熱を掻き立てる二つの存在、つまり非合法者とマスメディアがうようよしているからである。

さらに、かの地では、ブレア氏は自らの存在に関わる懐疑に直面している。しかし、イラクの脅威に関する偽りの報告というスキャンダルを正当化するために、どう釈明したらよいかと迷っていると考えるのは間違いである。そうではない。ブレア氏が決めかねているのは、どんな服を着ればいいか分からないからである。

その近くでは、アスナール氏と国王気どりの奴が会合を開いている。彼らのメキシコにおける諜報機関、つまりメキシコ政府は、ドタ靴を履いた連中は、イベリア半島に上陸し、欧州連合を侵略するという考えをまだ放棄していないと、アスナール氏に報告してきた。

誰もが知っている明白なことだが、私は君主制に糞をかけている。私は新聞紙の切れ端をもって便所に行き、ロダンの考える人と同じ姿勢をとりながら、政治家連中について考察をめぐらした。便所から帰り、真新しいEZLN総司令部で、私は一通の書簡に目を通した。そこには「君を思わずに入られない」という文言が書いてあった。感動した私は、「人を誘惑する視線」第１巻のカタログ７番にある視線の配り方に従って、あたりを見回し、そしてため息をついた。しかし、長くはなかった。すぐさま、その書簡がブラッド・ピット宛てだったことに気づいた。彼は我々の番組の招待者の一人となるだろう。

人を誘惑する視線のカタログ番号７番を「無意味な態度」のファイルに登録した。そして、この番組のことで私が厳しく批判されることが分かっているので、クコ・サンチェスをかけよう。この曲も十分にもうひとつのサパティスタ賛歌となりえる。そのタイトルは、「私は金貨ではない」という。

我々は叛乱ラジオの銀河系間の特別番組を継続する。この銀河系間番組は明らかにしておきたい。我々はきわめて低い出力で放送している。だから電気のバイアグラがあっても、我々は番組を立ち上げられない。銀河系の技術を使わない限り、我々の声は聞けない。そうではあっても、我々は自己流のやり方を持っているので、最高政府は我々を押し止められないし、叛乱ラジオのダイヤルのとらえにくい信号を妨害できないだろう。たとえば、皆さんがこの後に聴く歌を我々がかけると、敵の連中は別のラジオ局、つまり69ポイントGの局を聞いていると考える。では、ホアキン・サビナのアルバム『通りで私に言え』にある作品「69ポイントG」という曲をどうぞ。この曲でもって、パンチート・バローナに挨拶を送る。きっと彼は我々の放送を聞いていないだろうけど、彼の曲は…

EZLNの声、叛乱ラジオをお聞きの皆さん。放送は周波数69ポイントＧではない。だが、我々はやってみたい。そう、やってみる価値はある。つまり、「そう」とは言っているが、いつとは言っていない。 では、バルガスのマリアッチ、『ラ・ネグラのソン』をどうぞ。

　出典−http://chiapas.indymedia.org