エミリアーノ・サパタ特別集団へのシンボル旗の授与式

　　　EZLN、
　　　メヒコ、
　　　1997年９月８日

　エミリアーノ・サパタ特別集団の同志の皆さん。
　今日、われわれはメヒコ市への行進を始める。
　われわれに付けられた名前は、メヒコや世界のすべての先住民、貧しい農民に記憶してもらうためのものである。
　われわれ人民の歴史は、土地と自由、すべてのメヒコ人の男女のための民主主義と正義を獲得する戦いでありつづける。

　兄弟姉妹の皆さん。
　本日、われわれは、この「エミリアーノ・サパタ特別集団」の隊列を構成しているすべての男女が、CCRI-CG･EZLNの手からわれわれの部隊と司令部を代表するものを受け取ってほしい。
　つまり、EZLNの政治・組織面での最高権威である先住民革命地下委員会とサパティスタ部隊の軍事面の最高権威である総司令部を代表する二つのシンボルを皆さんに渡したい。　そのシンボルとは国旗とEZLNの旗である。
　まず、皆さんに国旗を手渡す。
　これはわれわれの旗であり、EZLNの支持基盤や戦闘員、そして悪い政府に対して戦いと抵抗を継続している 1,111の反乱する町のすべての男性、女性、こども、老人によって愛され、敬意を払われているものである。
　国旗は、メヒコと呼ばれるわれわれの祖国に居住しているすべての男女を体現するシンボルである。
　それはわれわれの旗印であり、われわれが、本来あるべきメヒコ人とみなされ、生きていきたいという希望を体現している。
　また、皆さんにEZLNの旗も渡したい。
　われわれの闘争と反乱の旗印である。
　黒地に、５つの角のある赤い星がひとつ、そしてEZLNと描かれている旗である。
　黒と赤の旗は、苦痛、そしてわれわれを長年にわたり忘却しようとしてきた悪い政府に対する反乱者としての尊厳のシンボルである。
　５つの角のある赤い星の旗は、人類のための戦いをシンボル化したものである。
　それはサパティスタの旗である。
　その旗には、われわれの仲間の血と死が込められている。
　同時に、すべてのメヒコ人にふさわしい正義、自由、民主主義をめざす戦いと希望が込められた旗でもある。
　われわれは皆さんにわれわれの二つの旗印を手渡したい。
　メヒコの国旗とEZLNの旗である。
　皆さんに手渡すのは、この二つの旗を最高政府の面前まで持参していただき、二つの旗を手に携えることで、われわれ先住民族がここにいて、戦いを継続し、抵抗を続けていることを全員に思い出させるためである。
　皆さんに手渡すのは、二つの旗を持参し、われわれも尊厳をもったメヒコ人であると、祖国に対して叫んでもらいたいからである。
　われわれは、われわれぬきのメヒコをけっして認めはしない。
　男女の同志の皆さん。
　皆さん全員にお願いする。これらのシンボル、そしてシンボルが体現するものをしっかりと守ってください。
　われわれ全員のメヒコ人としての誇りをもって、シンボルを運んでください。
　メヒコ国旗とEZLNの旗を受け取ったこの時点から、皆さん全員がわれわれなのである。　われわれの声は皆さんの言葉となって語られる。
　そして、EZLNは皆さんの歩みとなって歩むことになる。
　エミリアーノ・サパタ特別集団、ばんざい！
　EZLN、ばんざい！
　祖国のために生きよう、さもなくば自由のために死のう！
　民主主義を！自由を！正義を！

　　　メヒコ南東部の山中より　
　　　CCRI-CG･EZLN、司令官タチョ、反乱副司令官マルコス
　　　EZLN総司令部、
　　　メヒコ、一九九七年九月

　　　　出典：La Jornada,1997/9/9